先日、2023年6月17日に相模原ギオンスタジアムで、全日本大学駅伝の関東地区選考会が開催された。
10000mのタイムレースを全4組で実施し、各校8人の合計タイムで本戦進出の7枠を争うレース。
一人のミスが致命的となるサバイバルレースであり、梅雨時期の中でタフさと勝負強さが求められるレースである
以下、結果
【結果】
1位:城西大学 3時間57分35秒40
2位:大東文化大学 3時間57分50秒77
3位:東海大学 3時間57分58秒89
4位:東京国際大学 3時間59分02秒86
5位:東京農業大学 3時間59分20秒68
6位:帝京大学 3時間59分34秒06
7位:国士舘大学 3時間59分45秒19
ここまでの7校が本戦への切符を手にした。
レース動画↓
城西大学
城西大学はトップで通過し、10回目の本戦出場を果たした。
最終組にユニバ日本代表の山本、関東インカレ2冠のヴィクター・キムタイを揃えていただけに、その前の組でいかにしっかり走れるかが勝負だったとは思うが、予想以上の安定感を見せたと言える。
1組、3組で組トップを取るほか2組でも3着、4着で揃えるなど終始安定していた。
城西大の選手の走りを見ていると、どの選手も本当に落ち着いて良い位置でレースを進めていた。
常にリラックスしていて、終盤までペース走のような感覚で走っていた印象で
個々の選手に自信があるから成せるレース展開。
櫛部監督は選手層について、まだまだとコメントしていたようだが、ベースのチーム力は確実に上がっているだろう。
東海大学
母校、東海大学も各組で安定したレースを展開し、3位で本戦への進出を決めた。
関東インカレからチームの状態も良く、昨年の「石原頼み」のチームから脱却しつつあることがわかる。
各組で集団の先頭を積極的に引っ張りレースの主導権を握る選手が多く、積極的な姿勢と自信がうかがえるレースであった。
4年生から1年生までバランス良く好走したことは、各学年での「明確な目標」ができるとともに、「アイツができるなら自分もできる」という意識につながり、チーム力向上にはかなりのプラス材料だ。
学生スポーツでは最上級生だけ、若しくはある学年だけ強くても継続的なチーム力の維持にはつながらない。
「石原」という絶対的なエースに食らいつく同学年、下級生の存在が出てきたことが、今後のチームの活性化につながることは間違いない。
本戦も楽しみだ。
東京農業大学
そして、今回のレースでの最大の驚きは東京農業大学だろう。
3組終了時点で東農大は12位、7位とは46秒の差があった。
外国人留学生の集まる4組目に控えるのはルーキー、前田。高3のインターハイ5000mでは日本人トップの4位、入学後の関東インカレでも5000mでは日本人2位と快走はしていたものの、10000mは今回が初レース。
3組終了時点で7位の東京国際には強力な留学生が控え、他校もエースが揃うだけに46秒差は厳しい位置だったであろう。
小指監督も1、2組でもう少し前にいたかったとコメントしていたようだ。
しかし、前田は初レースとは思えないほど余裕を持って留学生のトップ集団に付き、ラスト1周では先頭に出る見せ場も作った。
28分03秒51の素晴らしい記録をマークし、東京農業大学を5位まで押し上げ東京農業大学は実に14大会ぶりの20回目の伊勢路出場を勝ち取った。
日本人は比較的、腰回り付近で低く腕を振る傾向にあるが、彼はコンパクトでアフリカ勢に引けを取らないほど胸周りで抱えられており、最小の旋回半径で無駄がない。
ストライドも大きく、まだまだ記録は伸びそうだ。さて、本戦でどんな走りを見せてくれるのか。
鍛錬の夏そして箱根へ
一方で、立教大学や神奈川大学、明治大学にとっては僅差での厳しい結果となった。
8位の立教大学はわずか14秒差で本戦進出を逃し、9位の神奈川大学と10位の明治大学も僅かなタイム差での落選となった。
さぁ、ここから夏の鍛錬期へ向けて新たな始まりでもある。
昨年8位44秒差で本戦を逃した城西大学は、箱根駅伝予選会を3位で通過し本戦ではシード権を確保している。
ここを機に、チームが変わることは可能だ。
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