2026年、春。まだ真っさらな靴と、あなたの不安について。

4月も半ばを過ぎると、あれほど騒がしかった桜も散り、街はしんとした緑に包まれます。

新しくランニングを始めたあなたの足元には、まだ汚れ一つないシューズがあるかもしれません。

それを見て、「本当に自分はあちら側(完走できる側)に行けるのだろうか」と、ふと立ち止まってしまう。そんな静かな不安を、私は知っています。

私は陸上部から走りはじめ、指導者のおかげで順調に距離をこなし競技種目の距離も伸ばしてきました。

800mからはじまり42.195kmへ挑戦するまでに実に12年かけたわけです。

でも、みなさんの中にはいきなりフルマラソンへ挑戦したいというひとも多いのではないでしょうか?

初マラソンという未知の領域に踏み出すあなたへ。
2026年のこの春に、大切にしてほしい「心と体の動かし方」をいくつか置いておきます。

「一生懸命」を少しだけ手放す

走り始めの人は、つい1000%の力で自分を追い込もうとしてしまいます。

しかし、練習を「点」ではなく「線」にするために必要なのは、「8割の余裕」で常に終えることです 。

走り終わった後に立ち止まってしまったり、歩けないほど追い込んでしまうのは、少しだけ「やりすぎ」のサインかもしれません 。

  • 練習の継続性: 毎回限界まで出し切るトレーニングは、身体への負荷を蓄積させ、モチベーションを維持しづらくさせます 。
  • 低強度(LIT)の魔法: 息が切れない程度のゆっくりとしたジョギングは、スタミナという大きな土台を作るための「徳」のようなものです 。

賢い「歩き」と「鼻」の使いかた

「走る」という行為に縛られすぎないでください。

完走への道は、賢く歩くことから始まります。

  • ウォーク・ランの法則: 例えば「90秒歩いて、30秒ジョギングする」といった交互の運動から始めてみましょう 。これは立派なトレーニングです 。
  • 鼻呼吸のリズム: 1マイル(約1.6km)ごとに、最初の1分間だけ「鼻から吸う」呼吸を意識してみてください 。鼻呼吸が苦しくなるようなら、それは今のあなたにとってペースが速すぎるという、身体からの親切な忠告です 。

疲労という「澱(おり)」をリセットする

長い距離に挑戦する日、後半に脚が重くなるのは、あなたの意志が弱いからではありません。

単に関節や筋肉が、同じ動きの繰り返しで「飽きて」しまっただけなのです。

  • 途中の儀式: 練習の半分くらいの地点で、一度思い切って止まってみてください 。そこで10回ほどエアスクワットやレッグスイング(足振り)を行うだけで、股関節や腿の筋肉がリセットされ、後半もフレッシュな感覚を取り戻せます 。
  • アンクル・リーン: 姿勢は、腰から折るのではなく、足首からほんの数度だけ前方に傾けるイメージを持ちましょう 。それだけで、無駄な力を使わずに前への推進力が得られるという研究結果もあります 。

一歩一歩に、自分を書き込む

週に3日の走る時間と、2日の自重トレーニング、そして毎日の5分のストレッチ 。

このささやかなルーチンを積み上げることが、フルマラソン完走やランニングを習慣化するという大きな物語への最短ルートです。

他人と比べる必要はありません。SNSで流れてくる誰かの「快走」も、今は遠い星の出来事でいいのです。

2026年のこの春、あなたの真っさらな靴が少しずつ汚れ、その汚れが「走った証」という勲章に変わっていく過程を、どうかゆっくりと楽しんでください。

今日走ったあと、どんな「小さな発見」がありましたか?

もしよければ教えてください。


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