
「1日1万歩」って、 いったい、だれが決めたんでしょうね。
健康のために歩こう、と決心した人ほど、 スマートフォンの歩数計を眺めては 「ああ、今日はまだ4千歩か……」と、 なんだか宿題をためた子どものような顔をして ため息をついていたりします。
歩くことは、自分を責めるためのものじゃないのに。
最近、アメリカや海外のメディアで 「ジャパニーズ・ウォーキング(Japanese walking)」という言葉が 静かなブームになっているそうです。 なんだか遠くの国の新しい健康法みたいに聞こえますが、 もともとは信州大学の研究チームが長年あたためてきた 「インターバル速歩」のことなのだとか。
”米国発のブームが世界へ。話題の「ジャパニーズ・ウォーキング」とは?”
https://wired.jp/article/what-is-japanese-walking
やり方は、おどろくほど素朴です。 「ちょっと息がはずむな」と感じる早歩きを3分。 そのあと、息をととのえるように、ゆっくり歩きを3分。
これを交互に繰り返す。 1日の中で、速く歩く時間が合計15分くらいあれば、 それだけで、だらだらと1万歩を歩くよりもずっと 筋肉や心臓が目を覚ましてくれるのだそうです。
海を渡って、英語の名前がついて、 また日本へ「これ、いいよ」と戻ってくる。 なんだか可笑しいけれど、 なんだか愛おしい話だなあと思います。
思えば、ぼく自身も昔はずいぶん長い距離を、 ひたすら前だけを見て走ってきました。
けれど、数字や記録ばかりを気にしていた頃よりも、 ふっとスピードを上げて風を切り、 すっとペースを落として空の青さに気づくような、 そんな「緩急」のなかにこそ、 からだの本当のよろこびがあったような気がします。
行政の仕事や、人生の終盤に寄り添う現場で たくさんの方々の暮らしを見てきましたが、 いくつになっても背筋がすっと伸びている人って、 自分を追い詰める数字にとらわれていない人でした。
「今日はあそこまで、すこし大股で歩いてみようかね」と、 自分のからだと機嫌よく対話している人でした。
歩くって、ただの移動じゃない。 自分のからだのギアを、 すこしだけカチャリと切り替えてみる遊びなんだと思います。
もし、ひとりで「3分の速歩」を数えるのが ちょっと味気ないな、と感じたら。 どれくらいのペースが「ややきつい」のか、 自分のからだの声がうまくつかめないときは、 私たちのプログラムに遊びにきてください。
湘南の空の下でひらいている「WALK RUNS」は、 まさにそんなふうに、歩くことと走ることのあいだを 心地よく行き来するためのプログラムです。
がんばって1万歩をめざさなくて大丈夫。 息がすこし弾んで、となりの人と「いい風ですね」と笑い合える。 そんな1時間を、いっしょに重ねてみませんか。
靴紐をすこしだけ結び直して、 ドアを開けるきっかけになれたら、とてもうれしいです。











